雨水の水くみ器が楽しい

 南篠崎さくら公園

 雨水を利用した水くみ器で全国的に有名(?)な、南篠崎さくら公園。
 ・・・後半は、なんだか別の話になってますが・・・。


 場所:東京都江戸川区南篠崎町


※注 田舎表現等により、気分を害されましたらごめんなさい。


【南篠崎さくら公園】

 江戸川区の、区民一人あたりの公園面積は、東京23区の中で2番目に広い。東京都は思えない田舎っぽさ(の割には交通は便利)という利点を生かそうと、江戸川区は30年以上、緑化に取り組んできたそうだ。瑞江〜篠崎は、規模の大小はあるが、公園が非常に多い。このホームページで紹介しているのは規模の小さな公園ばかりだけど、大きな「篠崎公園」など、区画整理などによって拡張された大きな公園もある。災害発生時の避難場所にも指定されている。

 さて、今回ご紹介させていただく「南篠崎さくら公園」は、瑞江駅からはちょっと離れたところにある。名前の通り、大きな桜の木が植えてある。花見の季節になると賑やかになりそうだ。場所は、柴又街道の終点と、篠崎街道が交わるところ・・・といっても分かりにくい。周辺の交通量もさほど多くはなく、小学校や田園、住宅地に囲まれて、比較的静かな雰囲気である。瑞江駅ここまで歩いてくると旧江戸川まであと5分くらいの距離になるので、どことなく潮風というか、川の流れる気配を感じる。

 この公園の特徴は、桜の木も重要だけど、雨水を利用した「水くみ器」があること。子供にとって、行政の水道代を気兼ねすることなく、思う存分に水遊びができる。行政の水道代を気にしながら水遊びをする子供がいるかどうかは定かではないけど、すくなくとも近くで見ている大人は「水を無駄にしてけしからん」という目では見れなくなるかもしれない。もちろん、水は無駄にしてはいけないのだけどね。




【雨水の水くみ器】

 南篠崎さくら公園の周囲には、田園、畑が広がっており、住所は東京だが、雰囲気としては千葉県である。私は決して千葉県が田舎だと言うことを言っているのではなく、田舎のような落ち着いた和やかな雰囲気に満ちあふれている場所だと言いたいだけである。旧江戸川を挟んだ向こう側は、千葉県の市川市・浦安市だが、たとえば浦安市は今や「住みたい街」の上位の街であるし、ディズニーランドのおかげで税収も豊富にあり、「マリナーゼ」と呼ばれる方々もおり、あこがれの的となっている。

 税収の話が出たが、いくら区議会議員選挙で候補者が大きなことを言っても(本心で言っているのかもしれないけど)、「先立つもの」が無ければ事業ができない。行政も、まとまった税収がなければ新しい事業を始められない。「瑞江にMDL(瑞江ディズニーランド)を作ります!」とか「瑞江ヒルズを作る」と言っても、先立つものがないと作れない。入居事業者からそれに見合う税収があるのなら可能性もあるけど、それも見込めなければ、候補者は、余計なことは言わない方がよいと思う。だから、石原知事が以前に「東京にカジノを作る」と言い出したときも、税収源を兼ねた観光地事業として、個人的には「なかなかおもしろそうだなあ」と思っていた。(いつのまにか消えてしまったけど。)

 税収の話の続きだが、江戸川区は決して税収の多い区ではない。税収の多い区は、新宿区、千代田区、中央区など、主に稼ぎ頭(法人税)の会社がある区。その一方で、江戸川区は、ここ最近、若い世代の流入が著しい。年間、およそ4万人が引っ越してくる。その大半は20代〜30代の若い家族だ。(私たちも、その中に入っている。)私立幼稚園へ通わせている家庭への手厚い保育料補助をはじめ、育児関連は非常に充実していると思う。




【さくら公園、別の角度から】

 若い世代が多いと、学校を建てたり、公園を作ったりするため、税金の支出がかさむ。その一方で、住民が増えると、稼ぎ頭の会社事務所(TDL見たいな事業地も含む)や工場が相対的に少なくなるので、税収は少なくなる。少ない税収という条件であるにもかかわらず、育児関連の福祉が充実しているのは何故だろうか。

 お年寄りに関しても興味深いデータがある。江戸川区は、お年寄りもとても多いが、不思議なことに、老人医療費も、介護保険の要介護認定者も、東京23区の中では最低レベルなのだそうだ。その秘密は、自然環境が田舎っぽくて(?)権衡に良いということのみならず、「寝たきりにならないように」という区の働きかけによるところが大きい。江戸川区が独自に開催しているカルチャー教室等の文化的な活動が盛んであり、元気なお年寄りが多い。お年寄りが元気で、病院のかわりにカルチャーセンターに行くようになると、老人医療費は大きく抑制できる。

 育児に関する手厚い手当がある一方で、保育所は乳児(ゼロ歳児)の受け入れには非常に消極的で、江戸川区のゼロ歳児の95%は家庭で保育されているそうだ。我が家の近くにある児童館も、乳児を対象とするコースはちょっと少ないような印象を受けた。働きながら子育てを考える女性にとっては、初期の頃は、ちょっと厳しいかもしれない。「地域と家庭で育児負担のバランスを」という事かもしれない。ゼロ歳児から預かってもらえる保育所は、中央区や千代田区など、東京の中心部の方が多そうだ。

 でも、そういった取り組みの一つ一つが、税収のバランスを取りつつ、江戸川区が「若い家族にとって住みやすい街」として認知されるように成ったのだと思う。

 税収は少ないが、自助努力っぽい知恵を使ってやりくりする江戸川区の姿と、南篠崎さくら公園を重ねて考えていた。雨水の水くみ器を見て、その周りで元気に遊ぶ子供たちを見ながら、水道代(=税金支出)のかからない楽しい水遊びと、楽しそうな子供たち(=住民)を見ながら、江戸川区の税収について考えてみる。べつに浦安市みたいに大きな税収源(=TDL)が無くても、知恵とバランスの取り方で、人々の生活は十分に充実できる。