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【旧江戸川の看板】
| 天気の良い秋空の朝。堤防沿いにジョギングをしているところ。堤防の上からだと景色も良いので気持ちよい。堤防から河原の芝生までは目の高さくらいのコンクリート塀があり、それを越えるための階段が備え付けられている。天気も良く、芝生を走るほうが気持ちが良さそうなので、階段を小走りに駆け上がって、むこうがわへ下りたその時。
急に、犬が、走りながら接近してきた。犬のむこうがわには、今さっきまでその犬をつなぎ止めていたリードを外したばかりの飼い主の姿。ちょっと事由にさせてあげよう、という気持ちでリードを外し、犬もさあ駆け回ろう、と喜び勇んで走り出したところへ、不運な私が階段をおりてきたらしい。
さあ困った。キビツを返して引き返そうものなら、犬のほうもなんだろう?と思って好奇心追いかけてくるに違いないことが、犬嫌い歴30数年の私には容易に察せられた。私はなにげに振り返り、犬が階段の下に到達するよりも早く、さりとてできるだけ焦りを見せずに、到達し、そのまま振り返り、芝生をいまきた方向と反対の方向へ歩き出した。
後方に犬の気配をヒシヒシと感じながらも、ここで走り出したら追いかけてくるのではないか、いやむしろジョギング姿なので走る方が自然なのではないか、はたして犬にそれが理解できるか、をとっさに判断し、結果としては、あたかも軽い気持ちで用事を思い出した時のように振り返り、そっと走り始めた。
猛りながら猛スピードで追いかけてくる犬のイメージを消し去り、ただ「走る」ことに気持ちを専念。やがて心持ちスピードが上がっていく。すぐ後ろに犬が追いかけてきていたらどうしよう、と思い、軽く振り返ると、犬はまったくこちらを気にせず、はるか後方で飼い主と一緒にしっぽをふりながら秋空の下で犬生を謳歌しているようだった。
ジョギング愛好家の心の安らぎのためにも、飼い主の皆様は、できるだけリードから手を放さないようにしていただきたいと思った。
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